ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ)とは足・腰などの運動器の障害によって立つ・歩く・走る・座るなどの移動に関する運動機能が低下している状態のことを言います。
中高年層になり、ロコモが進行すると、骨粗鬆症や変形性膝関節症などのリスクが高くなり、長距離の歩行やジョギングなどがつらくなっていきます。さらにロコモが進行すると、自分の足で歩けなくなったり、寝たきり状態になってしまい、要介護状態に陥る原因となります。
ロコモをセルフチェックしてみましょう
高齢になっても健康的な生活を維持していくには、日頃から運動習慣を取り入れ、ロコモにならないよう気をつけることが大切です。下記の項目は骨や関節、筋肉などの運動器が衰えているサインになります。項目のうち1つでも当てはまれば、ロコモの可能性がありますので、トレーニングをお勧めします。
- 片脚立ちでは靴下が履けなくなった
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要
- 家のやや重い仕事が困難(掃除機の使用や、布団の上げ下ろしなど)
- 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難(1Lの牛乳パック2個程度)
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号の間に渡り切ることができない
若いうちから身につけたい運動習慣
骨量や筋肉量のピークは20~30代です。骨や筋肉は、適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで強く健康に維持されていきます。弱った骨や筋肉では、40代・50代で体の衰えを感じやすくなり、60代以降には、思うように動けない体になってしまう可能性があります。若いうちから運動習慣を身につけることが大切になります。
また、筋肉や骨と同様に、軟骨や椎間板にも適正な運動負荷が必要です。ただし、過度な負荷のかかるスポーツや過体重によって「負担をかけられ過ぎる」と、軟骨や椎間板は逆に傷んでしまうこともあります。また、痩せ過ぎると筋肉や骨は弱くなってしまいます。肥満と痩せ過ぎは、いずれも好ましくありません。
当院での予防トレーニング
当院では、ロコモを予防するためのトレーニング(ロコトレ)を行っています。医師の指導の下でロコモーショントレーニングを続けることにより、筋力が衰えていくスピードを緩やかにし、要介護となるリスクを減らせます。さらに、膝や腰などの痛みなどを改善する効果も期待できます。
具体的なロコトレの内容は患者様によって異なりますが、片脚立ちとスクワットのトレーニングによってバランス能力をつけたり、筋力トレーニング機器を用いて筋力の低下を予防したりします。ロコモの可能性が疑われる方、また将来に向けてロコモが心配な方は、お気軽にご相談ください。