骨粗鬆症とは

骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗鬆症」といいます。 骨粗鬆症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。また、外傷がなくても「いつの間にか骨折」を起こしていることがあります。
骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がないことが多く、定期的に骨密度検査を受けるなど、日ごろから細やかなチェックが必要です。高齢化が進む現代においては、非常に注意すべき疾患のひとつで、国内で約1500万人以上の対象患者がいると言われています。
このような方はご相談ください
- 40歳以降の女性
- 背が低くなってきた
- 腰が曲がってきた
- 背中や腰が痛い
- 骨折を繰り返す(いつのまにか骨折している)
- 健診で骨密度が低いと言われたことがある
- 治療でステロイドを長期使用
- 喫煙歴、アルコールをたしなむ
- 関節リウマチ、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの持病がある
- ご両親に大腿骨頚部骨折や腰椎圧迫骨折の既往がある
- 慢性腎不全がある、または透析中
- ご家族様が骨粗鬆症かかっている
- 婦人科疾患がある(卵巣や子宮の治療歴、手術歴がある)
- 運動習慣がない
骨粗鬆症の主な原因
- 1. 加齢
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骨量(骨密度)は20歳前後がピークで、そこから40歳頃まではほぼ一定です。
多くの人は40歳中盤以降から低下していきますが、特に女性は50歳代で急な低下がみられます。加齢による骨量の減少は、老化による腸や腎臓の機能の低下で、カルシウムを吸収する能力なども低下して骨吸収(骨を壊す作用)が骨形成(骨を作る作用)を上回ること、骨芽細胞という骨を作る機能をもつ細胞に衰えや異常がみられること、筋肉量や筋力が低下することなど様々な要因が挙げられます。 - 2. 女性ホルモンの低下
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骨吸収を抑える作用がある女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、閉経により分泌量が減る傾向にあります。
そのため、骨吸収を抑える力が弱くなり、骨吸収が増加するので閉経後の女性は骨がもろくなりやすくなります。 - 3. 生活習慣
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喫煙、アルコール・カフェインの過剰な摂取、日に当たる時間の不足などの長期間に渡る生活習慣が原因となることから、生活習慣病との関連もあると考えられています。
若い方でも極端なダイエットや運動不足などの影響で骨粗鬆症になることもあります。
主な検査方法
骨粗鬆症は、自覚症状なく知らないうちに進行することがほとんどで、自覚症状がないからこそ定期的に、骨の密度を知る指標である「骨密度」を調べる検査を受けることが大切になります。
- DEXA法
- 2つの異なるエネルギーのX線を用いることにより骨と軟部組織を分離し、より正確なデータを得ることができます。測定に用いるX線は極めて少ない線量になります。
- レントゲン検査
- X線(レントゲン)検査で、背骨や肋骨などに骨折や変形がないかを確認します。
- 血液・尿検査
- 骨代謝マーカーという検査により、骨の新陳代謝の速さ(つまり骨がどれだけ作られているか、どれだけ壊されているか)を知ることができます。骨代謝マーカーは血液検査によって測定されます。
血液を採取して検査し、骨代謝(骨形成や骨吸収のバランス)を調べることができます。
主な治療方法
- 食事療法
- 食事から、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質などの骨の健康に大切な栄養素を積極的に取ります。
- 運動療法
- 運動により骨に負荷をかけて骨密度の低下を防ぎ、骨を強くします。また、筋肉が鍛えられ、転倒しにくくなります。
- 薬物療法
- お薬で骨を強くします。