腰の主な疾患
- 急性腰痛症(ぎっくり腰)
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 変形性腰椎症
- 腰部脊柱管狭窄症
- 胸・腰椎圧迫骨折
- 腰椎分離症
- すべり症
- 坐骨神経痛
- 骨粗鬆症
急性腰痛症(ぎっくり腰)
一般的にはぎっくり腰と呼ばれている疾患です。重い荷物を持ったとき、親の介護をしているときなど、日常生活の中でもよく起こります。激しいスポーツを行っている人が発症することもあります。多くの場合、背中の筋肉・筋膜の損傷が引き金となり、激痛に襲われるようになります。そのほか、屈曲するのが困難、腰椎の運動制限がみられることもあります。
発症すると、とても痛みが強くて歩行などに支障をきたす時期を経験しますが、一般的には発症後1ヵ月ほどで改善します。しかし、日頃からの悪い姿勢などが原因になっている方の場合、再発する可能性も高く、日頃より動作や姿勢に気をつける、柔軟性や十分な筋力を保持するといった予防策をとることが重要です。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎と腰椎の間には、椎間板と呼ばれる円形状の軟骨組織があります。これは、骨と骨をつなぐ役割や、椎骨の圧力を和らげるクッション的な役割があります。腰椎椎間板ヘルニアは、この腰椎部の椎間板が後ろ側の神経がある部位に飛び出ている状態です。
主に加齢による変性、外傷などがきっかけとなり、髄核が飛び出してきます。これに伴って椎間板が変性していき、脊髄や神経根が圧迫されて痛みやしびれ、運動障害などが出現します。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、年齢や変性に伴って生じる靭帯の肥厚や、骨棘(こつきょく:骨の一部が棘状に突出したもの)により脊髄や神経根が圧迫される疾患です。多くは腰椎や頚椎に起こります。好発年齢は50~80歳くらいの中高年で、女性より男性に多い傾向がみられます。
腰部脊柱管狭窄症では、腰の神経の通り道が狭くなってしまい、腰の痛みや足のしびれを引き起こし、歩行困難になります。初期の段階ではしばらく休憩すると再び歩けるようになりますが、進行すると痛みやしびれが慢性化します。
胸・腰椎圧迫骨折
押しつぶされるように骨(胸椎、腰椎など)が変形してしまった状態を圧迫骨折といいます。圧迫骨折は胸椎や腰椎でよく見られます。原因としては、転倒して、胸や腰をうつなど強い外力で圧迫骨折をすることがあります。
加えて高齢者の場合は骨粗しょう症を発症したことによる胸・腰椎圧迫骨折が多く見受けられます。症状としては、背中、腰など骨折のある部位に強い痛みがみられるほか、起き上がる、歩くといった行動もしづらくなります。